外国人観光客の「団体」はお断りします――。そんな対応を打ち出す施設がでている。マナーの悪さに悩んでのやむを得ない措置だが、差別ととられかねない。東京五輪・パラリンピックを来年に控え、訪日客が増えるなか、専門家は相互理解の大切さを訴える。
「大切な祈りの場所です。日本人以外の団体参拝はお断りしています」
「ねぼとけさん」の愛称で知られる巨大な釈迦涅槃(しゃかねはん)像が有名な南蔵院(福岡県篠栗町)。境内や最寄り駅に外国人の団体客を断る12カ国語の掲示をしている。
住職の林覚乗さん(65)によると、10年ほど前からクルーズ船で福岡市に寄港した外国人が、1日あたりバス20~30台で押し寄せるように。境内の雰囲気は一変した。修行の滝で水遊びをしたり、大音量で音楽を鳴らしたり。建物の屋根に上るケースもあった。トイレを流さない人もいた。
口頭でも注意してきたが、改善…