「万引き家族」がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた是枝裕和監督に、授賞式直前の24日午後(日本時間25日朝)、米ロサンゼルスで朝日新聞など新聞各社合同で話をきいた。是枝監督は、昨年10月に日本代表としてアカデミー外国語映画賞の出品作に選ばれてから今にいたるまでの心境を語った。
――現在のお気持ちは
ようやく終わる、ああ長かったな(笑)。
ノミネートされるまでのキャンペーンが去年の秋から始まって……。こっちはパリで(カトリーヌ・ドヌーブやジュリエット・ビノシュが出演する新作映画の)撮影中だったのに。もちろん、この作品を米国で成功させたいと思ってくれた配給会社やパブリシストなどいろんな方たちの熱意のたまものなんですけど。秋から繰り返し繰り返し米国に来て、取材を受けたり、上映に立ち会ったり、レセプションに出たりしていた。
外国語映画賞でこんなに大変だったら、(作品賞など)本賞に入った作り手は何もできないな。アカデミー賞に向かって、こんなこんなことをずっとやっているのかと思った。それがようやく終わる感じですね。
――授賞式に先立ち、外国語映画賞にノミネートされた5作の監督が登壇する催しなど、様々なイベントがありました。いかがでしたか
(メキシコ映画「ROMA/ローマ」を監督した)アルフォンソ・キュアロンもそうですけど、(ポーランド映画「COLD WAR あの歌、2つの心」を監督した)パベウ・パブリコフスキがいて、彼らと一緒にランチを食べているというのは単純に幸せでしたし、舞台裏ではネット配信の問題とかと突っ込んだこともきけて、親密な時間を過ごせました。
――「ROMA」のキュアロン監督とはどんな会話をしましたか
(主人公の女性とその雇い主の子供たちがおぼれかける)海辺のシーン。あれをどうやって撮ったのかをききました。「(映画では)波が高くみえるけど、そんなことはない。子供も実際に海に入っているけど、安全に、もちろんダイバーを周りに配置している。前の日に嵐だったから少し波が高かったけど」と言っていたけど。1テイクで撮ったと言っていました。
彼の作品には「どうやって撮っ…