名古屋市中区の大須商店街に3月31日、ミニシアター「大須シネマ」がオープンした。かつて映画館街としてにぎわった大須に銀幕が復活するのは30年ぶりだ。
平成で消えた映画館復活 名古屋の映画館発祥の地・大須
大の映画ファンで、大須で生まれ育った中川健次郎さん(78)ら有志が運営する。開業資金約2千万円は寄付などで集めた。座席は42席。午前中は名画、日中はアニメなど、夜は短編作品と、時間帯で上映作品を変える。
初日は活弁士とピアニストを招き、1923年の米国の無声映画「ロイドの要心無用」などを上映した。鑑賞した名古屋市瑞穂区の森恒治さん(74)は「大須は小学生のころから遊びに来た。昔の活気がよみがえる」。
大須は名古屋の映画館発祥の地だ。明治の末から昭和の中ごろにかけて、ピーク時には23館を数えたという。中川さんは「大須が映画の街だったことを伝えていきたい」と話した。(滝沢隆史)