滋賀県甲賀市の新名神高速道路で20日未明、西日本ジェイアールバス(本社・大阪市)の高速バスが、ドアを閉め忘れたまま3・3キロ走行するトラブルがあった。同社が25日に発表した。最高速度90キロで走行中、乗客が「ドアが開いてますよ」と運転士に伝えて気づいたという。
同社によると、トラブルがあったのは大阪・天王寺発東京行きの2階建て高速バス「青春エコドリーム32号」。20日午前1時10分ごろ、甲賀市の土山サービスエリア(SA)から、車両中央の乗降扉を閉め忘れたまま出発。高速道路本線に入って約2キロ走ったところで乗客が運転席に近づき、男性運転士(40)に指摘。すぐに扉を閉め、乗客52人にけがはなかった。
このバスには、扉が開いたままだとアクセルが踏み込めない安全装置が付いているが、作動しなかった。原因は不明だが、その後の検査では正常に作動したとして、同じ車両を使い続けている。広報担当者は「扉の開閉状況の確認を運転士が徹底すれば、同じ事象が起きる可能性は低いと判断した」と説明している。
また、大阪シティバス(本社・大阪市)でも昨年10月、大阪市内を走る路線バスで、中央の乗車扉が開いたまま約140メートル走行するトラブルがあった。このバスにも同様の安全装置がついていたが、作動しなかったという。同社はこの装置を取り換えたという。
同社によると、昨年10月17日午後6時20分ごろ、大阪市此花区の酉島小学校停留所から出発する際、男性運転士(60)が乗車扉を閉め忘れ、次の終点の酉島車庫前停留所まで走行した。この模様を撮影した乗客がツイッターに動画を投稿して発覚したという。(波多野大介)