米韓両軍が毎春に実施してきた大規模な合同軍事演習を巡り、米NBCテレビは1日、米政府が今後の実施規模を縮小させた演習に置き換えることを近く発表すると伝えた。演習の名前も変更されるとみられる。
対象となるのは、朝鮮半島有事の際の戦術を確認する野外機動演習「フォール・イーグル」と、海外の米軍が朝鮮半島に増援をシミレーションする「キー・レゾルブ」。規模を縮小し、「より任務に特化した訓練」に変更されるという。
演習ではこれまで北朝鮮との戦争を想定し、年によって異なるが、米軍2万人、韓国軍29万人ほどが参加。北朝鮮が実施に反発してきた。
トランプ大統領は2月27、28日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と首脳会談を実施。北朝鮮の非核化をめぐって両国の溝が埋まらず、合意文書の署名はされずに終わった。NBCは、米当局者の発言として、今回の決定は首脳会談とは無関係としている。
トランプ氏はこれまで米韓軍事演習を「戦争ゲーム」と表現し、「非常に高額だ」と費用を理由に否定的な見方を示してきた。
昨春の演習は、米朝の緊張が緩和に向かう雰囲気のなか、平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックの期間を避け、期間を半減させて実施していた。また、米政府は、昨年8月に実施する予定だった米韓軍の定例軍事演習「フリーダムガーディアン」も、北朝鮮との対話を理由に中止している。(ワシントン=杉山正)