米同時多発テロを主導した国際テロ組織アルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者の息子のハムザ容疑者について、サウジアラビア政府が国籍を剝奪(はくだつ)した。地元メディアが1日、伝えた。将来のアルカイダ指導者とも言われ、米国は2月28日にハムザ容疑者に関する情報に最高100万ドル(約1億1千万円)の懸賞金をかけていた。
AP通信は、剝奪は昨年11月に決定されたと伝えているが、理由は明らかにされていない。米国務省などによると、ハムザ容疑者は30歳くらいとみられ、米国が2017年に国際テロリストに指定。米軍が11年にビンラディン容疑者をパキスタンで殺害したことへの報復や、サウジ王室の打倒を呼びかけるなどしていたという。ニューヨークの世界貿易センターに航空機が突っ込んだ事件の主犯格モハメド・アタ容疑者の娘と結婚したとの報道もある。
過激派組織「イスラム国」(IS)などの台頭で以前よりアルカイダの影響力が薄れるなか、ビンラディン容疑者の血を引くハムザ容疑者の存在は組織の求心力を高めているとの指摘もある。(ワシントン=高野裕介)