沖縄県の玉城デニー知事は1日、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。名護市辺野古の埋め立てに反対する票が7割を超えた県民投票の結果を伝え、米軍普天間飛行場の移設工事の中止を求めたが、首相は応じなかった。官邸前では「辺野古を埋めるな」と市民らによるデモが行われた。
沖縄県民投票、経緯まとめ読み
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
会談は約20分間。玉城氏は冒頭で「辺野古埋め立てに絞った県民投票で、移設断念を求める県民の民意が初めて明確にされたことは極めて重要な意義がある」と工事の中止を求めた。しかし、首相は「普天間は世界で最も危険な基地と言われている。この危険な状況を置き去りにするわけにはいかない」などと埋め立てを続行する考えを示した。
玉城氏によると、会談では日米政府と沖縄県による三者協議の設置についても提案したが、具体的な返答はなかったという。
官邸前のデモでは、歩道が数百メートルにわたって埋まり、「民主主義を埋めるな」「海を殺すな」などと書かれたプラカードが並んだ。東京都の自営業住田千恵さん(49)は「沖縄の海に何度も癒やされてきたので、埋め立ててほしくない。本土の人たちも、沖縄のことを自分事として考えてほしい」と話した。