ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は4日、9月20日の開幕まであと200日となる。ラグビーの代表チームは、条件を満たせば外国出身でも、外国籍でもプレーできる。初の8強入りをめざす日本代表も、様々なバックグラウンドを持つ選手が文化や国籍の違いを超え、一つのチームとして戦う。
フィジーから来日 欠かせぬ存在に
昨秋の11月3日に行われた日本代表対ニュージーランド代表。両チーム初のトライを挙げたのは、桜のジャージーを着たフィジー出身のロック、アニセ・サムエラ(32)だった。相手のFBが陣地を回復しようとキックを蹴ると果敢に前へ。198センチの長身を前方へ投げ出してボールにチャージするとインゴールで押さえた。
フィジーから2008年にトップリーグ(TL)昇格前の日野自動車(現・日野)に入り、16年にTLのキヤノンに移籍。日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)に見いだされてこの年初めて日本代表入りし、今や代表になくてはならない存在だ。やはり現役時代、日本代表でプレーしたジョセフHCの「どの国から来ようが、切磋琢磨しなければいけない」との言葉を胸に刻む。
フィジー工科大で経営学を専攻し、卒業時は海外でプロ選手になるか、ビジネスの道に進むかで迷った。有望な選手が輩出するフィジーには近隣のニュージーランドや豪州、そして日本のスカウトが集う。「最初に声をかけてくれたところに行こうと決めていた」
二重国籍が認められているフィジーの出身選手は、外国人枠がある国内リーグで出場機会を多く得るために日本国籍を取得する選手が多い。アニセもその一人だ。「日本代表の目標は常に持っていた」といい、15年W杯で日本が南アフリカから挙げた金星で代表入りのモチベーションがさらに高まり、プレーが目にとまりやすいTLのキヤノンへの移籍を決断した。
代表チームの雰囲気を「どこの国籍だろうと、日本人として受け入れてくれる。お互いリスペクトしあっているし、学び合っている」と語る。「桜のジャージーを着るのは名誉だ。家族、友人の応援を思い出して戦い続ける気持ちになれる」と言う。
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