政治団体「日本歯科医師連盟」（日歯連）による迂回（うかい）寄付事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた前会長・高木幹正被告（７４）と団体としての日歯連に対する控訴審判決が５日、東京高裁であった。青柳勤裁判長は、高木被告を禁錮１年６カ月執行猶予３年、日歯連を罰金５０万円とした東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。判決理由では「他の政治団体を形式的に介在させ、実質的な寄付者を偽る行為が法の趣旨に反するのは明白だ」と指摘した。

日歯連元会長に有罪判決 迂回献金「組織的かつ巧妙」

一、二審判決によると、高木被告らは２０１３年の参院選前、自民党議員側に同法の上限（５千万円）を超える計９５００万円を寄付するのを隠すため、うち５千万円は別の議員側を迂回させ、収支報告書にうそを書いた。

高木被告と日歯連は無罪を主張し、一審判決を不服として控訴した。共に起訴された元会長（７７）は控訴せず、地裁の有罪判決が確定している。（阿部峻介）