白米に潜む「まむし」 食べてびっくり、おかわりしたい——贯通日本资讯频道
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白米に潜む「まむし」 食べてびっくり、おかわりしたい

「まだまだ勝手に関西遺産」


「まむし」って知ってますか? ヘビの話じゃありません。精がつくとして知られる、ある食べ物を関西ではこう呼んでいるそうです。


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「まむし食べたことある?」


ある日、よく行くご飯屋さんで、店の主人から尋ねられた。


頭の中に、うねうねとうごめくヘビの姿が思い浮かぶ。え、マムシって食べられるの? そういえば沖縄で、お酒に漬かっているのを見たことがあるような。いや、あれはハブか……。


ぎょっとした表情で思いを巡らす私を見て、したり顔の店主が教えてくれた。「関西では、うなぎ飯のことを『まむし』って言うんやで」


聞くと、ご飯の上ではなく、間にうなぎが入っているのが、まむしの特徴だそう。これは、おいしいに違いない。


徳川8代将軍吉宗の時代から続くうなぎ料理の老舗「本家柴藤(しばとう)」(大阪市中央区)には「大阪まむし」というメニューがある。ご飯の上にうなぎがぎっしり。もちろん間にも入っている。


15代目の柴藤成利(なりとし)社長(42)によると、以前は上にうなぎがなかったり、数切れだけだったりした時代もあった。運ばれて来たのを見て、「うなぎが載ってない」と怒り出すお客さんもいたそうだ。ネットが当たり前になった最近では、お客さんの反応も変わった。「少し前は『間にうなぎが入ってる』と驚いて喜ぶお客さんもいたんですが、今は事前に調べていらっしゃるからか、驚く人はあまりいないですね」


さて、念願の初まむし。見た目と香りだけで、ご飯がおかわりできそうだ。白米の中にうなぎを見つけた時は、宝探しの時のように、心が沸き立った。


なぜ、うなぎ飯を「まむし」と呼ぶのだろう。大阪にまつわる本などでは、「鰻飯(まんめし)がなまった」「ご飯の間にうなぎを入れて蒸す(間蒸し)から」……など、諸説が紹介されている。


大阪の食文化に詳しい「浪速魚菜の会」代表の笹井良隆さん(63)は「『まぶす』が由来でしょうね」と話す。


「新版 大阪ことば事典」(牧村史陽〈しよう〉編)では、江戸時代後期の風俗を記した「守貞漫稿(もりさだまんこう)」の「鰻飯、京坂にて、まぶし、江戸にて、どんぶりと云ふ。鰻丼飯の略なり」との記述を引用しつつ、「蒲焼をやや細かく切り、米飯に掛け汁と共にまぶすというところからこの名が出たものであろう」と紹介している。「大阪には、異なる食材を細かく切って混ぜ合わせる『あえまぜ』の食文化がありますから、『まぶす』ことになじみがあったのでしょう」


笹井さんも小さいころ、初めてのまむしに驚いた1人だ。「上を見て『なんや、これだけか』と思ったら、中にもあったのでびっくりした」


そうした、食べたときの驚きも、「まむし」の名が現代に伝わってきたことに関係していると笹井さんは推測する。「うなぎとマムシの姿が似ているところや、食べたときの驚きと、言葉の持つインパクトの重なり。そういった言葉遊びの部分も合わさって、愛されてきたからこそ、『まむし』の名が定着したんだと思います」


聞いてびっくり、食べてびっくりの「まむし」。今度、関西出身ではない友だちを「まむし食べに行こうや」と誘ってみよう。(松本紗知)


「食レポの達人」として知られるタレント タージンさん(56)


まむし、大好きです。間にもうなぎが入ってるなんて、豪華ですよね。食する方からしたらうれしいです。関東ではうなぎを蒸しますが、関西は蒸さずに焼くので、皮がバリッと香ばしい。上に載ったうなぎでは、その香ばしさが味わえて、間に挟まれたうなぎは、ご飯の温かさで身と皮がやわらかくなり、また違った食感が楽しめます。そのあたりも、まむしの味わいの妙だと思いますね。


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