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【速報中】傍聴席求め人だかり 籠池被告まもなく初公判

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学校法人森友学園(大阪市)による補助金不正事件で、詐欺などの罪に問われた学園前理事長の籠池泰典被告(66)と妻の諄子(じゅんこ)被告(62)の初公判が6日午後2時から、大阪地裁(野口卓志裁判長)で始まる。籠池夫妻は法廷で何を語るのか。一日を追う。


「カツもない」 ゴーン前会長に思いはせた籠池前理事長


籠池被告「国策留置だ。早く出たい」 野党議員が接見


12:30


54席、当選番号発表


大阪地方裁判所では、籠池泰典、諄子両被告の初公判を傍聴しようと、駐車場や芝生に多くの人だかりができた。事前に整理券が配られ、傍聴できる人が決まる仕組み。午後0時半過ぎ、傍聴できる54席の当選番号が発表された。


森友問題を追ってきた吉村治彦記者


取引の背景、浮かび上がるか




森友学園が建設を進めていた小学校の校舎=2017年3月9日、大阪府豊中市、橋本弦撮影



森友学園に国有地が隣の10分の1の価格で売却された。2017年2月にその問題を報じてから2年余り。森友学園前理事長の籠池泰典被告と妻の諄子被告が法廷に立つ。


取材を始めたとき、森友学園は小学校の建設に突き進んでいた。やがて疑問に感じるようになったのは、資金繰りに困っていた森友学園が、なぜ開校寸前までたどり着けたのかという点だ。学園の財務状況は、小学校を認可する大阪府の審議会が懸念するほど脆弱(ぜいじゃく)だった。


今回の起訴内容の一つは、小学校の建設工事で虚偽の契約書を提出し、工事費を水増しして国の補助金約5600万円をだまし取ったというものだ。資金集めに躍起だった籠池夫妻が不正に関与したのか。公判での解明が待たれる。


一方、国有地取引の問題を追ってきた立場からは、籠池被告や関係者の証言から取引の背景が浮かび上がるかどうかに注目したい。


大幅値引きに加え、分割払いを認め、売却額を非公表にする――。政府は一連の取引を妥当だと説明しているが、異例の対応を重ねた背景はまだ不透明だ。


公判で取引の妥当性が直接問われることはないが、これこそが森友学園問題の核心だ。法廷の場で、真相が少しでも照らし出されることを期待している。


初公判冒頭、被告らの発言に注目




大阪拘置所から保釈され、記者会見に臨んだ籠池泰典被告(右)と妻の諄子被告=2018年5月25日、大阪市北区、井手さゆり撮影



泰典被告は起訴内容を一部否認したうえで、「口封じのための国策捜査だ」と主張し、諄子被告は無罪を訴える方針だ。この日の初公判の冒頭には被告夫妻が自ら意見を述べる機会があり、発言が注目される。


起訴状によると、両被告は2016年2月、学園が大阪府豊中市の国有地に開校を目指した小学校建設工事で、虚偽の契約書を提出するなどして国の補助金約5644万円を詐取。11~16年度、学園運営の幼稚園などで病気や障害のある園児に特別な支援をしたと偽るなどして、府と大阪市の補助金計約1億2千万円をだまし取ったとされる。


関係者によると、泰典被告は「国の補助金申請は校舎の設計業者などに任せていた」「起訴された幼稚園の補助金申請の一部は適法」などと主張。争点は両被告に詐取の認識があったのか、諄子被告の共謀が成立するのかなどの点に絞られている。また詐欺罪ではなく、法定刑の軽い補助金適正化法違反罪の適用を求める。


さらに「詐取に関与した業者らを不起訴にする代わりに証拠を提出させるなどの違法な捜査があった」とも主張する方針だという。裁判は10月30日の第15回公判で結審する予定で、それまでに業者関係者ら計19人に対する証人尋問や被告人質問が行われる。


両被告は17年7月に逮捕され、約10カ月後の昨年5月に保釈された。泰典被告は今年2月の朝日新聞のインタビューで「安倍晋三首相の妻昭恵氏の学園への関与について口止めするのが目的の国策捜査だった」と批判している。


一連の問題の捜査に当たった大阪地検特捜部は両被告を17年9月に最終起訴した後、国有地の大幅値引きをめぐる背任容疑や公文書の改ざんをめぐる有印公文書変造容疑などで捜査を続けたが、18年5月に財務省関係者ら38人をいずれも不起訴とした。この処分が妥当だったかどうか、検察審査会で審査が続いている。(畑宗太郎)


籠池泰典被告のこれまでの主な発言


「何かことがあったとき、自分の身を捨ててでも人のためにがんばんなさい。そういう教育勅語のどこが悪い。まったく悪くない」


(17年3月9日、小学校の設置認可をめぐる府教育庁の現地調査後)


「当初から私は安倍晋三先生に対して敬愛以上のものを持っておりました保守の人間であります」


「(国有地を大幅に値引きして購入できた経緯について)神風が吹いたかなと思った。何らかの見えない力が動いたのではないかなと思った」


(17年3月23日、国会の証人喚問)


「警察ではなく、どうして特捜(地検)が入ってくるのか。国策捜査だ」


(17年6月20日の家宅捜索後)


「うそを言うな。民主主義を守れ」


(17年7月1日、安倍首相のJR秋葉原駅前での都議選の街頭演説で)


「新しい国日本を支える人材を育てる小学校を作ることは、かねての念願でありました」


(17年7月10日、大阪府議会の参考人招致)


「これは国策勾留であるというふうに私は認識しております」


(18年5月25日、保釈後の会見)


「(安倍首相の妻昭恵氏と一緒に撮った)写真はとどめ。財務省のギアがひとつ変わったんじゃないですか。ガッと」


(19年2月5日、朝日新聞のインタビュー)


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