中世から現代まで焼き物作りが続いている瀬戸(せと)、常滑(とこなめ)、越前(えちぜん)、信楽(しがらき)、丹波(たんば)、備前(びぜん)。これら六つの産地の名品を紹介する「六古窯(ろくこよう)」展が東京・丸の内の出光美術館で4月6日から開かれる。
愛知県知多半島の常滑で平安時代後期に作られた「大壺(おおつぼ)」=出光美術館蔵=は、よく焼き締まった茶褐色の地肌の上に、黄緑色の自然釉(ゆう)が肩から胴にかけて勢いよく滴る。口は薄く優美な曲線を描き、胴から底に向かってV字形にすぼまるが、堂々として安定感がある。
中世の人々の暮らしの必需品だった壺や甕(かめ)、すり鉢に加え、茶の湯の花生けや茶入れなど、約100件でそれぞれの窯の造形美をたどる。6月9日まで。一般1千円など。