イッセイ・ミヤケを身にまとい、ときに現代思想を援用しながら建築を語る――。建築界のノーベル賞とされるプリツカー建築賞に決まった磯崎新さん(87)はそんな姿で、華麗な現代建築家のイメージを定着させた。その実績と存在感から、「まだもらっていなかったのか」「遅すぎる」といった声が上がっている。
早くから頭角を現し、東京大建築学科で丹下健三さんに師事していたころは、同世代の槇文彦さん、黒川紀章さんとともに、三羽ガラスのように注目された。同時に、赤瀬川原平さん、荒川修作さんら前衛芸術家とも親交を持ち、反体制的、前衛的な志向を確立した。
30代で故郷・大分の県立図書…