空中パフォーマーのERIKA(エリカ) RELAX(リラックス)と、美術家の池田精堂。ジャンルの異なる2人によるパフォーマンスユニット「tuQmo(ツクモ)」の展覧会「道具とサーカス」が、神戸市兵庫区の神戸アートビレッジセンター(KAVC)で開かれている。池田が制作した道具とERIKAの身体を生かしたパフォーマンスは、「目的のための道具」といった従来のあり方ではない、身体とモノの新たな関係性を見せてくれる。
静まりかえった室内。三脚の丸椅子を横にしたような木の装置が、天井からロープでつるされている。ロープをつたって下りてきたERIKAが、装置に腕や脚を絡ませて、さまざまにポーズをとっていく。ロープのきしむ音だけが辺りに響き、緊張感と浮遊感が会場を包む。
今展のメインは、この約15分間のパフォーマンスだ。水、木、土、日曜に1日2~3公演が予定されている。
このほか二つの部屋に展示があり、一方では、パフォーマンスのスロー映像が投影されている。身体と道具が接する部分をクローズアップして捉えており、筋肉のしなやかな動きや、物体と身体の質感の違いが、際立って感じられる。
もう一つの部屋には、引き出しが付いた家具が並ぶ。中には、かんなくずやロープなど、今展のパフォーマンスが生まれるまでの試行錯誤の痕跡が収められ、ERIKAと池田の会話の音声が流れる仕掛けもある。
展覧会は、30~40代の芸術…