森友学園の土地取引問題発覚から2年余り。補助金をだまし取ったとする詐欺などの罪で起訴された籠池泰典被告が、法廷にようやく姿を現した。被告は公判でも「国策捜査」の持論を振りかざして検察側と鋭く対立したが、問題の真相解明は道半ばだ。
籠池被告、初公判で一部否認 「官邸からの意向と忖度」
「国策捜査そして国策逮捕、国策勾留は絶対許せません」。泰典被告は裁判長から起訴内容の認否を問われると、約10分間にわたり書面を読みあげた。
大阪府豊中市の国有地に建設を目指していた小学校について、泰典被告は安倍晋三首相と妻昭恵氏の後押しがあったと説明。ところが2017年2月、鑑定価格9億5600万円からごみ撤去費などを差し引き、1億3400万円で国有地が学園に売却されたことが明るみに出た後、「安倍首相は自らの保身にかじを切った」と批判。逮捕後、300日間も自分を拘置所に勾留した今回の事件は、国民の目をそらすための「国策」だった、と主張した。
さらに泰典被告の弁護側は、被告夫妻と昭恵氏の3人で撮られた写真や、安倍首相が学園との関係をめぐり「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いている」と国会で答弁した際の議事録を証拠として提出。安倍首相夫妻への忖度(そんたく)から、「籠池夫妻を悪質な詐欺犯とおとしめる訴追があったのではないか」と訴えて、検察側と真っ向から対決する姿勢を見せた。
一方の検察側。公判担当検事は…