日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)は6日夜、ゴーン前会長の保釈について、記者団に「想定の範囲内」と話した。別の幹部も同日朝、保釈されても日産への影響は「ゼロだ」と言い切った。だが、保釈されたゴーン前会長と日産経営陣の攻防が激しさを増すのは必至だ。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
日産はゴーン前会長が起訴された役員報酬の過少記載などの罪にとどまらず、会社を「私物化」するような数々の不正について今も社内調査を続けている。日産の海外子会社を通じてブラジルやレバノンなどで複数の高級住宅が購入されていたほか、日産と三菱自動車の統括会社から非開示の報酬約10億円を受け取っていたことなどがすでに判明している。日産はゴーン前会長への損害賠償請求を検討しており、民事上の責任追及も本格化しそうだ。
逮捕後はゴーン前会長を擁護していたルノーも、前会長が1月に経営トップを退いた後は日産と協力して不正の調査を進めている。先月には、前会長が私的にルノーの資金を流用し、パリ郊外のベルサイユ宮殿で開いた自身の結婚式の費用に充てていたと発表した。
日産関係者は、ルノーと日産の統括会社が不正の温床だった可能性を指摘し、「今月中旬にも両社の共同調査の報告があるのでは」との見通しを示している。
ゴーン前会長は起訴内容を一貫…