高齢化の波が押し寄せる多摩ニュータウン。手探りでの居場所づくりが進む。
多摩ニュータウン半世紀、「憧れの地」支えるネコサポ
若者回帰「脱オールドタウン」 AIだけでない再生の鍵
小田急・京王永山駅(東京都多摩市)から徒歩約10分の永山団地。2月の週末の昼食時、都内も雪化粧した悪天候にもかかわらず、商店街の一角にあるカフェ・食堂「永山福祉亭」の約25席はほぼ満席だった。1人で来店したお年寄りらが相席の客や従業員と世間話に花を咲かせていた。
平日の別の日には、約20人のお年寄りが集っていた。キーボードを操るボランティアにリクエストし、「春の小川」「春が来た」「雪の降るまちを」などを歌って楽しんでいた。
平日は混雑時以外の時間帯に歌ごえ教室のほか、囲碁・将棋大会などが開催され、市民の憩いの場となっている。
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「みんな移住してきた寄せ集めの街。居場所が必要だった」
2002年2月、当時任意団体だったNPO「福祉亭」の初代理事長としてボランティアで始めた元山隆さん(83)はそう振り返る。都市再生機構のOBで、多摩ニュータウン(NT)の開発にも関わった。
現理事長の寺田美恵子さん(7…