日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された事件で、弁護人の弘中惇一郎弁護士は7日、前会長の記者会見について、来週以降の開催を検討していることを明らかにした。体調を考慮し、週内は難しいと判断したという。
ゴーン前会長は6日に東京拘置所を出る際、作業着姿に変装した。変装の目的は、報道陣に追跡されて保釈中の住居が把握されることを防ぐためだったといい、弘中氏は「拘置所の職員がぞろぞろ動いたのが想定外だった」「うまくいかなかった」と振り返った。ただ前会長は変装を面白がっていたという。
前会長は、役員報酬を有価証券報告書に過少に記載した金融商品取引法違反と、私的な損失を日産に付け替えるなどしたとする特別背任の罪で起訴された。今後の基本的な弁護方針について弘中氏は、前会長が1月の勾留理由開示の手続きで述べた主張に沿うことを明らかにした。日産取締役会への出席は「議題によるが、現実問題としては難しい」との認識を示した。