重い心臓病を患い、米国での心臓移植を目指していた1歳の川崎翔平ちゃん(兵庫県尼崎市)が10日、入院していた大阪府内の病院で死去した。名前の由来となった米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手もエールを送ってきたが、かなわなかった。
大谷選手が訪問した際の映像
翔平ちゃんは心臓のポンプ機能が低下する難病「拡張型心筋症」だった。二つの人工心臓を体内に埋めて闘病していたが、根本治療には心臓移植が必要。国内では臓器提供者(ドナー)が少なく、米国での移植を目指していた。
「翔平」の名は、「強く育ってほしい」との願いから、大谷選手にあやかってつけられた。今年1月には、大谷選手本人が病院を訪れ、「いつも頑張れって思っているよ」などと励ましの声をかけていた。
しかし、今月5日ごろに容体が急変し、10日に亡くなった。母の静葉さん(33)は「まさか亡くなるとは思わなかった。乗り越えてくれると信じていた」と話した。手術代や渡航費のため寄付を呼びかけ、1月末に目標額の3億5千万円を達成し、渡米の準備をしていたところだった。
葬儀は行わず、近親者のみでお別れをする。集まったお金は、心臓移植を必要としている子どもたちのために全額寄付するという。(新田哲史)