大半が日本初公開という遺物が並ぶ特別展「三国志」(朝日新聞社など主催)が7月9日から9月16日まで、東京・上野の東京国立博物館で開かれる。その見どころはどこにあるのだろう。
展示を担当する東京国立博物館の市元塁・主任研究員は、今回の特別展で、「皆さんが知っている『三国志』の世界というのが、本当に実在していたんだということを、遺物を見て、実感してほしい」と話す。
このように語る背景には、私たちの多くが歴史書の『三国志』と小説の『三国志演義』をごっちゃにしている事実がある。
前者が西晋以降の時期にまとめられた、いわゆる「正史」なのに対し、後代の多くの映画や小説のもとになっている『三国志演義』は明代に成立したフィクション。当然ながら、エピソードを含め、虚実が入り交じっている。
だが、今回の展覧会は、最新の考古学の成果に基づきながら、本当の三国志、言い換えれば、リアル三国志の姿を会場に再現しようとする。
目玉の一つが、2009年に発…