近世書誌学者の高木浩明さん(51)から、「面白いものを見つけました」とメールが届いた。高木さんは江戸時代初期に流通した「古活字本」と呼ばれる木版印刷本の研究者だ。現存するすべての古活字本を調べ尽くそうという活動に対して昨年、愛知県西尾市から岩瀬弥助記念書物文化賞が贈られた。
「面白いもの」は、訪れた国会図書館(東京・永田町)の古典籍資料室で、古活字版の「後漢書」(全120巻33冊)を調べているときに見つけた。21冊目の中に、「足跡」が二つ、残っていたのだ。サイズはほぼ12センチ。幼児のものとみて間違いない。
高木さんは話す。「本を所有し…