東京都江東区のマンションで住人の加藤邦子さん(80)が「アポ電」と呼ばれる不審な電話の後に殺害された事件で、事件に使われた車や、強盗殺人容疑で逮捕された男3人から警視庁が押収した複数の携帯電話は、いずれも他人名義だったことがわかった。同庁は身元を隠すためとみて、車や携帯電話を用意した人物がいないか調べている。
逮捕されたのは、川崎市川崎区京町2丁目、土木作業員の小松園竜飛(たつみ、27)、住所不定、無職須江拓貴(すえひろき、22)、同酒井佑太(22)の3容疑者。いずれも容疑を否認しているという。
捜査関係者によると、事件後に現場から走り去るのが目撃された所沢ナンバーの灰色っぽい軽自動車について調べたところ、レンタカーではなく、所有者は3人以外の名義だった。車は小松園容疑者の自宅がある神奈川県内を経由して、須江、酒井の両容疑者の地元の長野県に向かったことが確認されているが、見つかっていないという。
小松園容疑者ら3人から押収した携帯電話のうち、少なくとも2台は他人名義だった。加藤さん宅には事件前、資産の状況を尋ねる「アポ電」がかかっていたことが分かっているが、いずれの携帯電話端末からも加藤さん宅へ発信した記録は見つかっていない。警視庁は別の電話が利用されたか、他の人物がかけた可能性があるとみている。
特殊詐欺では、当事者と関係な…