静岡県伊東市の土地取引をめぐって1300万円の賄賂を受け取ったとして、収賄罪に問われた前市長・佃弘巳被告(72)に対し、東京地裁は18日、懲役2年追徴金1300万円(求刑・懲役3年6カ月、追徴金1300万円)の判決を言い渡した。永渕健一裁判長は「市長の地位を私利私欲のために悪用した」と述べた。
判決によると、佃被告は現職だった2015年8~9月、地元の土木建築会社が所有するリゾートホテル跡地を市が購入した見返りに、同社元役員(48)=贈賄罪で有罪確定=から3回にわたり、計1300万円の賄賂を受け取った。弁護側は、会社員の男性(50)=収賄幇助(ほうじょ)の罪で有罪確定=が受け渡しを仲介した1千万円については「男性から貸付金を返してもらった」と賄賂性を否定していたが、判決は「返済金を装って賄賂を迂回(うかい)させた」と退けた。(阿部峻介)