2016年11月、東京・明治神宮外苑のイベント会場で木製のジャングルジム形の展示作品が燃え、中で遊んでいた男児(当時5)が死亡するなどした火災で、警視庁は18日、展示物内に置かれて火元となった投光器の適切な管理や会場全体の安全管理を怠るなどしたとして、出展者の学生2人を重過失致死傷容疑で、指導教員とイベント主催者側ら4人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検し、発表した。
捜査1課によると、6人は、作品を出展した日本工業大学(埼玉県宮代町)の21歳の男子学生2人と同大学の男性教員(39)、イベントを主催した東京デザインウィーク株式会社の男性社長(70)、イベント事務局長の男性(56)、事務局員の女性(33)。
照明は元々、LED電球だけが作品の一部として設置されていたが、出火当時は白熱球を使った投光器が置かれていた。学生は「ライトアップを際立たせるためにその場のアイデアで置いた」、教員は「指導監督をしていなかった」、主催者側は「作品の管理は学校側が行うべきだ」などと話しているという。
火災は16年11月6日午後5時15分ごろ、東京都新宿区霞ケ丘町の神宮外苑で発生。投光器の熱が伝わってアートとしてあしらわれていた木くずが燃え、中で遊んでいた東京都港区の幼稚園児が焼死し、助けようとした父親もやけどし重傷を負った。
大学側の3人は白熱球の熱が木くずに伝わって出火する危険性があったのに、作品内で投光器を放置した疑いがある。主催者側3人は会場内の見回りなどの安全管理を怠った疑いがある。
遺族は代理人弁護士を通じ、「事故から2年半が経とうとしています。本来であれば息子は小学生になり、進級に向けて心躍らせていると思うと、たまらなくさびしい気持ちになります。事故の原因究明に向けようやく一歩動き出したことは私たち家族にとっても大きな一歩だと感じています」とのコメントを出した。