和牛の受精卵と精液が検査を受けずに中国に持ち出されそうになった事件で、家畜伝染病予防法違反などの容疑で逮捕された飲食店経営の前田裕介容疑者(51)の携帯電話に、中国・海南島の牧場関係者とやり取りした形跡があることが捜査関係者への取材でわかった。大阪府警は、牧場関係者が持ち出しを依頼した疑いがあるとみている。
捜査関係者によると、前田容疑者は受精卵などの持ち出しについて、これまで「中国人から頼まれた」との趣旨を供述。府警が、押収した携帯電話の履歴を解析したところ、牧場関係者とやりとりしていたことが判明した。
府警は、前田容疑者が依頼を受けて運搬を指示したとみて捜査。実際に運搬したとされる小倉利紀容疑者(64)とともに、輸出に必要な検疫を受けずに昨年7月、和牛の受精卵と精液を中国に持ち出そうとしたとする家畜伝染病予防法違反などの容疑で逮捕した。