三重県議会は、犯罪被害者に対する見舞金制度を盛り込んだ犯罪被害者支援条例案を全会一致で可決した。4月1日に施行される。
県によると、見舞金は殺人事件や危険運転致死罪が適用された交通事故などで身内を亡くした遺族に対し、60万円が支給される。見舞金制度は他県の市町村で導入されている例があるが、最高額になるという。犯罪被害でけがを負った本人についても、3日以上の入院と1カ月以上の療養が必要とされる場合は、20万円が支給されるなどの経済支援がある。
条例制定は、三重県朝日町で2013年、少年に襲われ死亡した中学3年の寺輪博美さん(当時15)の父、悟さん(50)が昨年6月、鈴木英敬知事に手紙を送って要望していた。悟さんは「私どものような遺族の思いを代弁させてもらって活動してきた結果であり、言葉にならないくらいうれしい」と話した。(三浦惇平)