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大阪都構想か、反都構想か――。大阪府知事・市長のダブル選(4月7日投開票)をめぐり、立候補予定の4人が初めてそろい踏みした18日の討論会。大阪維新の会が推進する都構想の是非などについて、維新側と「反維新」陣営双方の主張が激しくぶつかった。
出直しダブル選・住民投票…大阪都構想の行方は
都構想巡り冒頭から激論
討論会に臨む(左から)柳本顕氏、小西禎一氏、吉村洋文氏、松井一郎氏=2019年3月18日午後、大阪市北区、細川卓撮影
冒頭から白熱したのは、都構想の是非論だった。
都構想は大阪市をなくして東京23区のような特別区に再編する制度改革。維新は、互いに近い権限を持つ大阪府と大阪市の「二重行政」を解消すると主張してきた。
吉村洋文氏
「一本化で大阪は成長」
討論会で発言する吉村洋文氏=2019年3月18日午後、大阪市北区、細川卓撮影
知事選に立つ維新政調会長の吉村洋文・大阪市長は「大阪の不幸な歴史。『府市合わせ(不幸せ)』と呼ばれてきた。制度を一本化することで、大阪は成長できる」と強調。市長選に臨む維新代表の松井一郎・府知事も「(維新出身の両首長により)府市一体で大阪の成長に取り組んできた。この状況を未来永劫(えいごう)続ける」と訴えた。
小西禎一氏
「制度改正で混乱生じる」
討論会で発言する小西禎一氏=2019年3月18日午後、大阪市北区、細川卓撮影
これに対し、「反維新」陣営は都構想を真っ向から否定。府と市の連携で大阪の発展は遂げられるとの主張を展開した。
自民党などの推薦で知事選に立候補する元同府副知事の小西禎一(ただかず)氏は「大きな制度改正で、新しい庁舎を建設するなどの壮大な無駄遣いが生じるし、混乱も生じる」と指摘。市長選に立つ元自民大阪市議の柳本顕氏は「大阪市の強みをいかした上で、府と市の課題は『調整会議』で議論することができ、解決できる」と反論した。
松井一郎氏
「大阪会議では答え出せない」
討論会で発言する松井一郎氏=2019年3月18日午後、大阪市北区、細川卓撮影
維新側は、この「調整会議」は2015年7月に自民の提案で立ち上げた「大阪戦略調整会議(大阪会議)」のことだと受け止めた。府や大阪市、堺市の利害調整機関として期待されたが休眠状態になり、維新側は「ポンコツ会議」と批判してきた。松井氏は「大阪会議は、二重行政解消の議論の入り口にもたどりつけなかった。答えを出せない場が大阪会議だ」と述べ、改めて批判した。
柳本顕氏
「参加者の意思で『ポンコツ化』する」
討論会で発言する柳本顕氏=2019年3月18日午後、大阪市北区、細川卓撮影
柳本氏は「会議体は参加者の意思で『ポンコツ化』できる」と述べ、大阪会議の頓挫は維新の責任だと指摘。都構想案を作成する府と市の法定協議会で維新と他会派が対立を繰り返したことを念頭に、こう批判した。「あれもまさに『ポンコツ協議会』だ」
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