大阪府知事・市長のダブル選(4月7日投開票)をめぐり、自民党大阪府連は16日、市長選に元同党市議の柳本顕氏(45)を擁立すると発表した。柳本氏は、予定していた今夏の参院選大阪選挙区への立候補は断念する。知事選への立候補を表明した小西禎一(ただかず)元府副知事(64)とともに、ダブル選でぶつかる大阪維新の会との対決姿勢を鮮明にしていく考えだ。
出直しダブル選・住民投票…大阪都構想の行方は
柳本氏は大阪市内のホテルで記者会見し、維新が掲げる大阪都構想について「議論に終止符を打つ上で、大阪にも私にもラストチャンス」と述べ、都構想反対を掲げて選挙戦に臨む考えを強調。参院選については「(自民党本部に)辞退すると報告している」と語った。同席した左藤章自民府連会長は「退路は断っている」と説明。柳本氏はさらに、市長選で負けた場合は政界を引退する考えも示唆した。
柳本氏は2015年5月に実施された都構想の是非を問う住民投票では、自民市議団幹事長として反対派の先頭に立った。同年11月の市長選で吉村洋文氏(維新政調会長)に敗北。その後、自民公認で今夏の参院選に立候補することが決まっていた。
16日午前には公明党府本部が柳本氏の推薦を決定。立憲民主党府連も同日、柳本、小西両氏を自主支援することを決めた。
今回のダブル選では、維新は吉村氏と大阪府の松井一郎知事(維新代表)がポストを入れ替えて立候補する方針。柳本氏は、松井氏と対決することになる。松井氏は16日、奈良県王寺町で記者団に「(対決構図が)わかりやすくなってきた。過去(のダブル選)もずっとそうだった。我々は政策を愚直に訴えていく」と話した。(半田尚子、吉川喬、楢崎貴司)