北朝鮮の開城工業団地内にある韓国と北朝鮮の南北連絡事務所で、22日に撤収した北朝鮮の要員が25日朝、事務所に復帰した。韓国統一省が25日、発表した。北朝鮮側は撤収や復帰の理由を明らかにしていない。米朝対話を有利に導くための揺さぶりとみられる。
同省によれば、北朝鮮の要員4~5人が25日午前、連絡事務所に出勤した。北朝鮮側は「北南共同宣言の趣旨に沿い、事業をきちんと進める考えに変化はない」と説明したという。北朝鮮側は10人ほどが事務所に勤務していたが、22日に突然、撤収を宣言した。
同省関係者は、事務所の機能が正常に戻ったとの認識を示す一方、北朝鮮の今後の姿勢を注視したい考えも示した。北朝鮮のウェブサイト「メアリ」は22日、「南朝鮮(韓国)当局は米国の機嫌を取るのでなく、米国に言うべきことは言う当事者の役割を果たすべきだ」と求めていた。(ソウル=牧野愛博)