(26日、サッカー国際親善試合 日本1―0ボリビア)
ボリビアの変化、森保Jどう修正?(中西哲生コラム)
ほんの数年前まで、サイドバック(SB)は日本サッカーの強みだった。長友佑都がインテル・ミラノに引き抜かれ、内田篤人が欧州チャンピオンズリーグでスター選手と渡り合った。その後、酒井宏樹、酒井高徳が海を渡ったが、今の日本代表には20代後半から30代の彼らに続く選手がいないように見える。
原因は守備力にある。日本はSBの攻撃力に目がいきがちだが、それは海外では付加価値に過ぎない。吉田麻也はイングランドで本来のセンターバック(CB)だけでなく、何度もSBで出場した。日本がW杯で敗れたベルギーのDFフェルトンゲンは189センチの長身ながらCBもSBもこなす。ベースの守備力があるから起用される。一方、日本の売り出し中のSBは守備が物足りない。
初招集で、ボリビア戦で初先発した23歳の左SB安西幸輝は「すごく刺激的だった」という。鹿島でチームメートの内田から、世界は違う競技のようだと言われていたが、Jリーグとの違いを実感した。体の強さに加え、一瞬で攻撃のギアが入るスピード。相手の無名MFのドリブルに当たり負けする場面が何度かあった。「抑えるところは抑えたけど、世界はもっとレベルが高い。パワーとスピード、全部を上げないと追いつけない」。まずはレベルを体感した。SBの世代交代はこんな経験から始まる。安西は誓った。「焦りはある。遅いぐらい。長友さんを越えていかないといけない」(河野正樹)