将棋の最終盤で、相手の玉将を詰ます力を身につけるのに大いに役立つとされる「詰将棋(つめしょうぎ)」。その魅力を、詰将棋の名手で、詰将棋で磨かれた終盤力は「光速の寄せ」と称される谷川浩司九段(56)が、初心者にも分かりやすく語った。3月17日に大阪であった「朝日おやこ将棋フェスティバル」(朝日新聞社、日本将棋連盟主催、「和食麺処 サガミ」協賛)。谷川九段による「詰将棋の魅力」と題した基調講演と、自作の詰将棋作品を披露した場面から、ご紹介する。
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詰将棋は、相手の玉将を捕まえる手順を考えるパズルのようなもの。
この日のイベントに初心者の方も参加していることを知った谷川九段は、「将棋のルールを覚えた人に、次に、やって欲しいこと」として、「簡単な詰将棋を解くこと」を挙げた。
最初は、1手、王手を掛けると、相手玉の逃げ場が無くなる「1手詰」から。
谷川九段「1手詰の問題を50問、百問と解いていくことで、駒の動かし方を覚えられるし、相手の玉を詰ます面白さも分かります」
その次のステップは、3手詰。
谷川九段「最初の一手、自分が王手を掛けて、玉方(ぎょくがた)〈=相手方〉がどういう風(ふう)に応じるかを見て、3手目に詰ます――。1手詰に比べると、格段に難しくなります」
その後は、5手詰→7手詰→9手詰。
谷川九段「一桁の問題が出来るようになって欲しいな、と思います」
詰将棋が解けない時は、どうしたら良い?
谷川九段は「もしもプロ棋士を…