将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)が8日、大阪市福島区の関西将棋会館での第32期竜王戦(読売新聞社主催)ランキング戦4組の2回戦で、畠山成幸(なるゆき)八段(49)に112手で勝った。
藤井聡太 名人への道
午前10時に始まった対局は午後10時21分に終局。勝った藤井七段は「中盤でいくつか誤算が重なって苦しい時間が長かった将棋だと思います。最後もかなり、きわどい感じで。最後の最後まで分からなかったです。(竜王戦は)これからも厳しい将棋が続くかなと思います。一局一局に全力を尽くして少しでも上を目指せるようにしたいと思います」などと話した。敗れた畠山八段は「作戦は、いくつか用意した中の一つで、かなり古いヒネリ飛車なんですがね、さすが、藤井さん。かなり改良された(対応をされた)。角を打たせて、その角を目標にして指すつもりだったんですけど、途中、千日手模様になって、失敗したかな、と。ただ、実際は玉を逃げて、結構難しい泥仕合みたいになったのかなと思ったんですけど。最後、詰まなかったというか、残念でしたね」と話した。
竜王戦は、将棋界に八つあるタイトル戦の一つ。全棋士と女流棋士4人、奨励会員1人、アマチュア5人で行う。1組から6組に分けてトーナメントを行う。各組の上位者の計11人で決勝トーナメントを行い、最後は挑戦者決定三番勝負で挑戦者を決める。例年10月から12月にかけて竜王と挑戦者が七番勝負を行う。現在のタイトルホルダーは広瀬章人(あきひと)竜王(32)。
今期の竜王戦ランキング戦4組は32人がトーナメントで争う。挑戦者を決める「本戦トーナメント」に進出できるのは優勝者1人だけ。本局で2連勝とした藤井七段は、4組優勝まで、あと3勝となった。藤井七段の竜王戦での次の対戦相手は中田宏樹八段(54)。タイトル戦に登場したこともある、関東の実力者だ。
藤井七段の次の対局は3月11日、関西将棋会館で。第90期棋聖戦(産経新聞社主催)の二次予選で久保利明九段(43)と対戦する。勝者が決勝トーナメントに進出する、重要対局だ。(佐藤圭司)