仏民放ニュース局LCIは4日、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者に対し、再逮捕直前に行ったとするインタビューを放映した。ゴーン前会長は日本の弁護士事務所から、インターネット電話を通じて記者の質問に約20分間、応じたという。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
ゴーン前会長はインタビューで、「私は無実だ」と強調し、「外国で恐ろしい状況に巻き込まれている」と訴えた。「大量の間違った事実や(恣意(しい)的な)解釈によって絶えず名誉毀損(きそん)が起きている」と主張した。
また、「日産自動車の人間が、日本でもフランスでも(ゴーン前会長をおとしめようと)働きかけてきた」と述べ、「2018年の4月か5月に、日産の会長職から追い落とせるような証拠を集める」動きが起きたと振り返り、日産内部での陰謀が背景にあるという見解を語った。
被告として臨む裁判については「どう展開するのか、疑問を持っている」と語った。「日本人は外国からどう言われるかをとても気にする」とし、「仏市民としての私の権利が擁護されるよう、仏政府に訴えた」と述べた。
日産、ルノー、三菱自動車のアライアンス(提携)にも触れ、その「将来を心配している」と話した。自身が3社の会長として束ねた体制に代わり、合議制が採用されたことを「アライアンスは3、4人で行うクラブではない」と指摘。「時には難しい決定を下すことが必要だ」と語り、利害の対立で重要な決定がなされなくなる可能性に言及。「あっという間にアライアンスが消え入ってしまうのを恐れている」と語った。(パリ=疋田多揚)