日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が中東オマーンの販売代理店に支出した日産資金を私的に流用したとされる特別背任事件で、代理店オーナーが配下のインド人幹部をゴーン前会長の「資金管理担当」に就けていたことが関係者への取材でわかった。この幹部は受け取った資金について「(代理店の資金としては)手を付けられない金」と周囲に説明していたことも判明。東京地検特捜部もこうしたやり取りを把握し、前会長とインド人幹部が資金の一部還流で合意していたとみている模様だ。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
特捜部などによると、ゴーン前会長は2015年12月~18年7月、アラブ首長国連邦の子会社「中東日産」からオマーンの販売代理店「スヘイル・バウワン・オートモービルズ(SBA)」に約17億円を送金した。CEO(最高経営責任者)の裁量で使える「CEOリザーブ(予備費)」が原資で、「販売促進費」の名目だったが、このうち約5億6千万円を投資会社「GFI」に還流させた疑いがある。特捜部はGFIをゴーン前会長が実質的に保有していたとみている。
複数の関係者によると、ゴーン…