20年続いた日産自動車の「ゴーン体制」が名実ともに幕を閉じた。日産は8日の臨時株主総会で、カルロス・ゴーン前会長とグレッグ・ケリー前代表取締役を取締役から解任する人事案を賛成多数で可決し、「完全追放」にこぎつけた。だが株主の間には、不正を許してきた西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)ら現経営陣に対する不信感が広がる。日産は「ゴーン後」の新体制づくりを急ぐが、行く手には課題が山積みだ。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
主会場からあふれる株主
臨時株主総会の開催は「近年では例がない」と日産幹部。異例の総会は小雨が降る中、8日午前10時から東京都内のホテルで始まった。中東オマーンの販売代理店に送金した日産の資金を自らに還流させたとして、保釈中のゴーン前会長が4日前に会社法違反(特別背任)容疑で4回目の逮捕をされ、前会長の妻キャロルさんが東京地検特捜部の呼び出しに応じずフランスへ出国したことも明らかになったばかり。会場周辺には海外メディアを含め多くの報道陣が集まった。
個人株主を中心に、過去2番目…