就職や転勤、進学などによる「引っ越しシーズン」がピークを迎えるなか、希望通りの日程で転居ができない「引っ越し困難者」を中心に荷物を他人の家に一時的に置かせてもらうサービスが人気を呼んでいる。
東京都目黒区の4LDKの一軒家。一人暮らしする会社員の住宅の空き部屋にはテレビやベッド、ソファ、子どものおもちゃなど3組の家具や家電製品が保管されていた。
サービスを運営するのは空きスペースを貸したい人と借りたい人を仲介する「モノオク」(東京都渋谷区)。引っ越しが集中するピークは希望通りの日程での業者の手配が難しく、代金も高騰する。住居の退去から入居まで間隔が大きくあいてしまい、荷物の置き場に困る人も少なくないという。
都内から京都に異動となり、退去と入居日が1週間空いた会社員(28)は「家財を宮城の実家にも送れず、近所にトランクルームも無かった。結果的には値段も安く済み、助かった」と話した。
サービスの登録者数は年明けから増え続け、約7500人。相場は1畳の置きスペースで月5千円程度。新住居が見つかるまでや新社会人で配属先が決まるまでの間、荷物を預ける人もいる。(長島一浩)