明治や大正時代に活躍し、新1万円札のデザインに採用された実業家の渋沢栄一は「日本の資本主義の父」と呼ばれて数多くの企業の設立に携わり、社会への富の還元を訴えて公益事業にもかかわった。企業の間では再び、渋沢の姿勢に学ぶ取り組みが活発になっている。
道徳と利益 調和させる思想
さいたま市のりそなホールディングス(HD)の研修センターで9日午後、傘下のりそな、埼玉りそな両銀行の177人に向けた新入行員研修が開かれた。目玉は、新1万円札のデザインに採用されることが決まったばかりの渋沢の講座だ。
埼玉県深谷市出身の渋沢は、埼…