住宅設備大手LIXIL(リクシル)グループの首脳人事の経緯が不透明だと機関投資家らが疑問視している問題で、LIXILは9日、第三者の弁護士がまとめた首脳人事に関する調査報告書の「全文」を公表した。2月25日に8ページの簡略版を自社ホームページで公表したが、「全文」は公開していなかった。「株主からの要望を踏まえた」(広報)として東京証券取引所の適時開示で全17ページの公表に転じた。
「機密情報が書かれている」(同)ことを理由に簡略版の公表にとどめていたが、機関投資家が情報開示が不十分だとして反発していた。朝日新聞は報告書全文を入手し、5日付朝刊でその内容を報じた。2月18日付の報告書全文は、CEO(最高経営責任者)に復帰した創業家の潮田洋一郎氏に対する遠慮が多くの取締役にあったことがガバナンス(企業統治)上の問題を招いた原因だと指摘。CEOを退任した瀬戸欣哉(きんや)氏と潮田氏の対立の詳しい経緯などが盛り込まれていたが、簡略版ではこうした記述が伏せられていた。
9日に開示された文書と朝日新聞が入手した報告書全文を比べると、公表された文書では、潮田氏がシンガポールへの本社移転や経営陣による自社株式の買い取り(MBO)を計画していた点など16カ所が省略されていた。
LIXILは「機密情報保護の…