日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が同社の資金を私的に流用したとされる特別背任事件で、前会長の妻キャロルさんの証人尋問が11日に東京地裁で実施される見通しであることが、関係者への取材でわかった。出国先のフランスから10日に日本に戻ったという。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
関係者によると、ゴーン前会長に流出した日産資金の一部は、キャロルさんが代表を務める会社や、息子が起業した会社に送金されたとされる。東京地検特捜部はキャロルさんの事情聴取を検討したが、キャロルさんは前会長が再逮捕された翌日の5日に出国。特捜部は、出頭を拒んだ参考人を対象とする初公判前の証人尋問の手続きを東京地裁に請求し、認められていた。
キャロルさんは仏ラジオ局の番組で、「(仏政府に支援を働きかけることで)夫を助けようとフランスに来たが、その後は日本に戻る」と述べ、尋問に応じる意向を明らかにしていた。
地裁はゴーン前会長の14日までの勾留を決定。弁護団は地裁に準抗告したが棄却されたため、10日に最高裁に特別抗告した。