公正取引委員会は10日、旅行予約サイト大手の楽天トラベル、ブッキングドットコム、エクスペディアの関係先に立ち入り検査をした。サイトで紹介するホテルや旅館との契約で、ほかのサイトと同等以上となるよう不当な取引条件を求めていた疑いが持たれている。ホテルや旅館側はなぜ、大手予約サイト側の要求を拒めないのか。
西日本の老舗旅館のオーナーは今年初め、今回立ち入り検査を受けたサイトの担当者から「他サイトと同額か、それ以下で出すことが掲載の条件。でなければ解約してもらう」と連絡があった。
仲介手数料がかからない自前の予約サイトを最安値にして、客を集める方が客1人当たりの利益は大きい。だが、オーナーは大手サイトでの掲載を続けた。「多くの人の目に触れるためには条件をのむのは仕方ないと思ってやってきた。地方の日本旅館は赤字経営も多く、取り分が減っても背に腹は代えられない。みな我慢しているのが現実ではないか」
この老舗旅館が契約している大…