日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が日産の資金を自らに還流させたとする特別背任事件で、東京地裁は12日、検察側が請求した前会長の10日間の勾留延長について、15日から22日まで8日間延長する決定を出した。東京地検特捜部が求めた勾留延長が短縮されるのは異例だ。弁護側は決定を不服として地裁に準抗告したが、棄却された。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
特捜部は昨年11月、前会長を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕。12月に同容疑で再逮捕したが、この事件では地裁が勾留延長の請求を却下しており、今回も地裁の判断が注目されていた。
前会長の最初の身柄拘束は3月6日に保釈されるまで108日間続いた。保釈後は地裁が指定した東京都内の住居で暮らしていたが、特捜部は今月4日、前会長を特別背任容疑で再逮捕。弁護人の弘中惇一郎弁護士は「裁判所が証拠隠滅の恐れがないと判断したのに、一連の事件で再逮捕するのはあり得ない」と批判していた。
地裁は5日、ゴーン前会長の勾…