国内の紙幣のデザインが2024年に一新されることが決まりました。かつてお札には、聖徳太子や伊藤博文、岩倉具視、板垣退助ら、政治家の肖像画が描かれていましたが、近年は福沢諭吉や樋口一葉といった文化人が中心です。新たにできるお札も、1万円札が実業家の渋沢栄一、5千円札は教育者の津田梅子、千円札は細菌学者の北里柴三郎で、政治家は見当たりません。世界では、お札の収集家たちが優れたデザインを選ぶコンテストも行われています。最優秀に輝いたのは日本から見れば、意外な形の紙幣でした。各国の発行機関のサイトなどをもとに、お札をめぐる様々な情報を紹介します。
世界の紙幣の収集家らでつくる「国際紙幣協会」が、2017年の「最優秀紙幣賞」に選んだのは、スイスの10フラン札でした。賞は芸術性や色合い、全体のデザイン、偽造防止技術などを基準に会員の投票で選ばれます。スイスの紙幣は黄色をベースにした縦型で、表にはオーケストラを指揮する人の手と時差のエリアが描かれた地球儀、裏には時間に正確な運行で知られるスイスの鉄道を描いたイラストや偽造防止技術が評価されました。
各国のお札のデザインは様々です。日本と同様に、自国の発展に貢献した人物の肖像画を描いた紙幣は多くの国々で見られます。
ただ、米国は法律で存命中の人…