タイ中部パタヤ郊外の振り込め詐欺グループの拠点とみられる高級住宅で3月29日、日本人15人が不法就労容疑で逮捕された事件で、警察庁の捜査員数人が16日午前、羽田空港からバンコクに向け出発した。タイ警察当局が押収したパソコンや電話機、メモなどを分析し、被害者や被害額の特定を進める。
捜査員らはタイに到着後に国際捜査の手続きを経て、タイ警察当局から押収資料の提供を受け、詐欺容疑を裏付ける作業に入る。パソコンの解析技術を持つ捜査員もおり、日本人の詐欺グループによる海外の活動の実態解明をめざす。
タイ警察当局によると、15人は日本に電話をかける「かけ子」とみられ、観光ビザで入国して共同生活をしていた。押収したマニュアルには電話口で相手をだます手口が詳細に書かれ、「相手を安心させる」などの注意点もあったという。(小林太一)