大手メーカーなどから特許業務を受注している「はづき国際特許事務所」(東京都新宿区)の経営者、亀谷美明弁理士(59)が、経費を水増しして約6800万円を脱税したとして、東京国税局から所得税法違反容疑で東京地検に告発されたことがわかった。
関係者によると、亀谷弁理士は書類などの翻訳業務を外注したように装って香港の会社の銀行口座に資金を振り込み、利益を圧縮。2015~17年に約1億5100万円の所得を隠し、脱税した疑いがある。
同国税局は、香港の会社は亀谷弁理士から依頼を受けた知人が設立したもので、事業実態はなかったとみている。亀谷弁理士はこの会社の口座から国内の現金自動出入機(ATM)でたびたび現金を引き出し、使っていたという。
取材に対して亀谷弁理士は「修正申告に応じた。不祥事を起こし、深く反省している」とコメントした。信用調査会社などによると、同事務所は1992年に亀谷弁理士が創業し、数十人が勤務。電子機器メーカーや鉄鋼会社などから特許申請業務などを受注し、年商約8億円という。(花野雄太)