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北朝鮮問題に固執する米韓、追い込まれる文氏 米専門家

米国のトランプ大統領と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が11日、ワシントンで会談した。2月末に物別れで終わった米朝首脳会談を受け、今後の対応を話し合った。北朝鮮の非核化が進むかなどについて、元米国家安全保障会議(NSC)アジア部長のビクター・チャ氏に聞いた。


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ハノイでの米朝首脳会談は「悪いディール(取引)をするよりもディールをしない方がまし」という結果だった。ただ、問題なのは、米朝とも、協議に時間をかける方が、自らにとって得策だと考える状況になっていることだ。


2020年の米大統領選の影響は大きい。選挙を控えるトランプ大統領にとって、3回目の米朝首脳会談に臨んで失敗するかもしれないというリスクを冒すのは難しい。トランプ氏は「核実験を止めた」などと現状の米朝交渉が成功していると主張しており、3回目の首脳会談のリスクをとる理由がない。さらに米側はハノイでの会談で北朝鮮に現在の制裁が効いていることも確認している。


一方、北朝鮮側も米大統領選の情勢を見るだろう。「選挙に負けるかもしれない大統領となぜディールをしなければいけないのか」と考えるからだ。そこで使うのが「待ち」という彼らの古典的手法になる。次の大統領選でトランプ氏が勝てば、また新たな交渉を始めるかもしれない。しかし、それまでにある2年近くの期間で、北朝鮮は核物質や武器のさらなる製造を続けるだろう。


こうした中、文氏は極めて難しい立場に置かれている。米朝間のギャップを埋めようとトランプ氏に制裁緩和を働きかけても、効果はないだろう。トランプ氏が妥協的な態度を取っても、北朝鮮側には妥協する考えはないからだ。


私は、現在の米韓関係が、北朝鮮問題というシングルイシューの関係になってしまっていることを懸念している。米韓関係はこれまで北朝鮮問題のみならず、イラクやアフガンへの韓国軍派遣、気候変動など非常に裾野の広い問題を共有していたことが強みだった。しかし、今は北朝鮮問題のみを協議している。そんな中、米韓が北朝鮮問題でぶつかったらどうなるか。米韓は北朝鮮問題だけに固執するのをやめるべきだと思う。(ワシントン=園田耕司)


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