遺伝子を改変できる技術「ゲノム編集」を人間に応用する研究について、世界保健機関(WHO)の専門家会議が、世界の研究を登録する制度の創設をWHOに求めました。制度を設けることにどんな狙いがあるのか。3月にスイスのジュネーブで開かれた会議のメンバーである加藤和人・大阪大教授(医学倫理)に聞きました。 受精卵ゲノム編集の臨床応用、法規制を検討 政府方針 スギ花粉症なくなる日が来る? ゲノム編集や飛散防止剤 ――会議ではどんな議論が行われましたか。 会議のメンバーは、欧米や日中、インド、アフリカなど、十数カ国の生物工学や生命倫理、司法などの専門家18人です。1年半かけて計4回の会議を開き、WHOの事務局長に報告書を出すことがミッションです。 3月18~19日にスイスのジュネーブで開かれた初会合では、まず、研究の透明性の確保と責任を果たすこと、多様な立場の人々の意見を取り入れることを基本方針にする考えで一致しました。そこで、透明性の確保の具体案として、研究の登録制度の話が出てきました。 ――なぜ研究の透明性の確保に力を入れるのですか。 透明性が確保されないと、研究… |
ゲノム編集、人間へ応用研究「登録制度で透明性確保を」
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