公立福生(ふっさ)病院(東京都福生市)の人工透析治療をめぐる問題で、腎臓病総合医療センターが開設された2013年4月以降に透析を始めずに亡くなった患者が20人、透析中止後に死亡した患者が4人いたと都が明らかにした。こうした患者の一部について十分な説明をしたとの記録が残されていなかったとして、都は9日、福生病院に対して医療法に基づき文書で改善を指導した。
都や福生病院の説明によると、昨年8月、腎臓病患者の女性(当時44)が医師と相談の上で透析を中止し、1週間後に死亡した。亡くなる直前に「こんな苦しいなら透析した方がいい。(中止は)撤回する」と話したが、病院側は落ち着いた状況で確認したところ、透析を希望しないとの意思を確認したとして再開しなかった。
都はこの患者を含め、死亡した24人への対応を調べた。一部で患者の意思を確認する書類が保存されていなかったほか、透析の代替治療や、透析の中止を撤回できるといった説明の記録が確認できないなど、計10件の不備があった。このうち患者の意思が変わった際の対応についても、医療・ケアチームによる適切な説明や、家族も含めた十分な話し合いをした記録が確認できないケースがあったという。
焦点となっていた透析中止の説…