「オリンピックおじさん」として知られ、3月9日に92歳で亡くなった山田直稔(なおとし)さんのお別れの会が16日、東京都江東区のホテルで開かれた。万国旗が飾られた会場に、応援仲間らが集まった。
1964年東京大会から2016年ブラジル・リオデジャネイロ大会まで、夏季五輪の開催地に毎回足を運び、名刺には「国際オリンピック応援団長」と刷った山田さん。会場にはこれまで訪れた開催地で撮影した写真のほか、応援の際に着用したジャケットなどが並べられた。
92年バルセロナ大会から同行した「副団長」の石川恭子さん(49)は「団長は人が集まるところが大好きだったので、きっとどこかにいて『ありがとう』と言っていると思う。人類の平和と友好、笑顔のために半世紀以上応援活動してくれた団長に改めて感謝したいと思います」とあいさつし、三三七拍子で会をしめた。
山田さんは富山県井波町(現南砺市)出身。都内でワイヤロープ販売会社やホテル、不動産業を手がけるかたわら、夏季五輪の会場で日の丸の扇子を振り、声援を送った。関係者によると、来年夏に迫った2度目の東京五輪も応援するのを楽しみにしていたという。
山田さんが亡くなった後、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「悲しい知らせだ。彼は1964年の東京からずっと全ての五輪を見てきた真のスーパーファンだった」とIOC公式ツイッターで哀悼の意を示した。(山本亮介)