入学式や卒業式で国旗掲揚や国歌斉唱に従わない教員が懲戒処分などを受けている問題で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)と国際労働機関(ILO)が近く、日本政府に対して「教員団体と対話し、両者が合意できる規則を検討するよう」、通知することがわかった。「教員の自由が侵害されている」などと申し立てていた「アイム89東京教育労働者組合」が19日、東京都内で会見を開いて明らかにした。
教員の地位に関するユネスコとILOの合同専門家委員会(CEART)が、審議をしていた。CEARTは昨年、ユネスコとILOに勧告し、日本政府に対して①国旗掲揚や国歌斉唱に参加したくない教員の義務について合意できるよう、対話する機会をつくる②消極的で混乱をもたらさない不服従への懲罰を避ける目的で、懲戒の仕組みについても教育団体と対話する機会をつくる――ことを促すよう求めた。この勧告を踏まえた通知になるとみられる。
文部科学省は「正式な伝達があってから、内容を精査する」としている。(矢島大輔)