文部科学省は19日、小学6年と中学3年を対象に前日行った、全国学力調査の実施状況(暫定値)を公表した。1万9455校の小学校と9948校の中学校が調査に参加したが、中3で初めて実施された英語の「話す」力の調査を行ったのは9446校で、約5%にあたる502校はパソコン機器の不具合などで行えなかったという。
「話す」力の調査は、学校が事前にダウンロードした動画をパソコンで再生し、ヘッドセットをつけた生徒が話して解答する方式で行われた。学校によって環境が異なるため、文科省は特例的に実施しないことも認めていた。502校のうち、事前に中止を決めていた学校数と、当日にトラブルが発生した学校数など内訳は公表していない。
独自に「話す」テストを開発し、授業や入試で導入している京都工芸繊維大の羽藤由美教授(応用言語学)は「スピーキングテストは想定外のトラブルが起こりうる。今回は大規模調査にもかかわらず、準備期間が短かった。不参加の具体的な理由を聞いたり、トラブルの原因を分析したりするなど検証が欠かせない」と話す。(矢島大輔、編集委員・氏岡真弓)